膣に射精された時、僕たち精子の旅が始まる
仲間は、2億から3億。
ところが、膣は僕たちを排除しようとするので、
仲間の半分は、一瞬にして死んでしまう。
卵に出会うまでには、48時間しかない。
しかも、僕たちが泳いで行ける、特別な液体があることが前提。
僕らの一部は、道に迷ったり、体力尽きて、途中で死んでしまう。
卵管は、2つに分かれていて、卵はどちらか片方にしかない。
確率、2分の1.
あんなにいた仲間の50匹しか卵には到達できない。
僕らが近づくと、卵がそれを感じて、回転を始める。
それは、それは、美しいんだよ!
宇宙から地球を眺めると同じかも。
僕らの中で、一番要領のいい奴が、卵の中に入るのを許される
・・・新しい命の誕生!
ところで、僕が人間である君と同じ大きさがあったら、
僕が泳がなければならない距離を想像できる?
48時間以内に、今君がいるところから、どこまで泳いでいかなくてはけないか
想像してみて? 東京? 北海道? アメリカ? 答えは、月まで!
たった1本のしっぽを左右に振るだけで、この旅をするんだ。
頭の中の染色体を渡したら、僕らの旅は終わる。
そして、命が生まれる。
命・・・奇跡。 命・・・必然。 命・・・素晴らしい。